ともさんの「ともさん、TOMOSでSSTR参加した話」の裏話

この記事はmstdn.beer 2nd Advent Calendar 2024 の22日目の記事です。

私はアルコール摂取したらお医者さんに怒られるタイプの人間で、現在はお酒とは無縁の生活を送っていますが、ちょいとビア鯖アドカレにおじゃまさせてもらいますね。
普段は紳士淑女の集まるバ鯖(バイク鯖)でかしこそうなトゥをしたり、フェディバースの恥部、マストドン.jpで金玉についてトゥしたりしています。

今回のお話は1st Advent Calendar 同日公開記事、ともさんのアドカレ「ともさん、TOMOSでSSTR参加した話」の裏側のお話です。
ともさんには何にも話していないので、記事内容がダダ被りするかもしれませんが知ったこっちゃありません。

はじまりはいつも雨男

物語のはじまりは去年のこと。ともさんが頭の悪いことを言い出したのだ。

とも 2023年5月29日
来年のSSTRはモペットです!
ひげさんが車体用意してくれたら(鼻ホジ)

なーんてうかつで軽率なトゥであろうか!!
私が車両を用意すれば、ともさんはモペッドでSSTRに参戦するというのです。

とも 2023年5月29日
大丈夫大丈夫、たぶん車体こないから!

とも 2023年7月5日
来年モペット参戦になりそうな私です。まぁ車体が手に入れば!

くっ・・完全に油断していやがる。 が、ともさんの言うことはごもっとも。
というのは、モペッドを買うには金がいる。しかし私ときたらとにかく金がない。金がないからコンドームだって裏表使うくらい節約してる。
そんな金のない男が、他人のためにバイクを買うなんてことはあり得ないワケ。だって金ないんだもん。モペッドなんか用意できるわけないのよ。

若者というのはいつの時代もウカツだし、男の子というのはバカと相場が決まっているので、若い男の子なんてのはそらもうウッカリさんなのはしょうがない。
しかしだ。もう全然若くもないどころか棺桶に片足突っ込んでいるようなおっさん(つまり私)もバカだったがゆえに、くだらない笑い話でおわるはずだった物語はゆっくりと動き出したのだ。

モペッド?SSTR?

知らない人と知らない単語がいっぱいでてきましたね。先に整頓しておきましょう。

ひげさん

私のこと。金玉担当。おっさん。

ともさん

天下無双の雨男。バ鯖では雨神として崇められる存在。その能力で気象衛星ひまわりのがんばりを無駄にします。
うかつな発言でバ鯖の悪い大人達におもちゃにされがち。一方で有言実行の頼もしい若者でもある。
今回の物語の言い出しっぺにして被害者。

ミスター

モペッド

この物語の主人公。
バイクの種類をさす言葉で、モーター+ペダルからなる造語。早い話がエンジン付きの自転車。
自転車なのでガソリンがなくなってもペダルを漕げば進む。一応ね。バイクの中でも最弱。交通社会の最底辺の乗り物、それがモペッドです。

モペッド、ワンピースとか着たお姉さんとかが乗ってたらおしゃれ感すごいんですけどね。残念ながらおっさんの手元に来てしまいました。かわいそうに。

SSTR

日の出と共に太平洋を出発し、日の入りまでに日本海(石川県千里浜なぎさドライブウェイ)にゴールする、というツーリングイベント。
サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリーの頭を取ってSSTR。例年5月に開催され、14時間ほどの制限時間の中、課題をこなしながらゴールを目指します。基本的に誰でもゴールできるような難易度のイベントです。そう。普通のバイクならね。

2022年は50ccのホンダ・モンキーで完走しました。もう2度とやりたくねえ。

私もSSTRに50ccでチャレンジしたことがありますが、日本では50ccは30km/hという、キチガイじみたルールがいまだに健在です。道中、何度も自転車に抜かされながら千里浜を目指すのは牧歌的ではあったけども「感想を言え」と言われたら「もう2度とやりたくねえ」としか言いようがない。お尻が4つに割れたもん。あと足の爪がもげた。つらい。

そんなつらいことをだ。モペッドでやろうってんだから、こらもう狂ってるといっても過言じゃないわけですよ。ともさんアタマおかしい(べた褒め)。

売られた喧嘩は買おうじゃないか

で、だ。
若者がチャレンジしたいって言うんだから、背中をググッと押してやるのができる大人の役割ってもんじゃないですか! 押しているのが手か足かなんて小さな問題です。綿矢りさも言ってましたよ。背中は蹴るものだって。助走つけて背中にドロップキックですよ!
ともさんが辛い目に遭いたいって言うんだから、なんとかモペッド用意しようじゃないですか!!
ああ、なんて親切な大人なんだろう俺!!

となると、問題はお金ですが… 裏表使って、洗って干してもう一回使うくらい節約すればなんとかなるでショ! 善い人間ってのは、他人に善意を施せるやつだって小学校の道徳の時にならった気もするしね! ともさんが酷い目に遭うためなら俺もがんばれる!

モペッドを入手しよう

さて、日本ではなじみの薄いモペッド。80年代はそれでもちらほら見かけたんですけどね。
とはいえ売れてないだけで、実は新車がいまだに買えるんですよ。しかもバイクとしてはかなりお安い。お安いのだけど、お金がない私にはとんでもなくお高い。
こんなの買った日には、干して再利用どころか、ケツを拭いたトイレットペーパーも再利用しないと財政破綻しちゃう(時々あるよね。キレがよくて次回そのまま使えそうなの)。

だがね、考えて欲しい。そんな勝利が確定されたピカピカのモペッドでSSTRなんて誰が期待しているというのだね! やはりこう、あきらかなポンコツ! そう、第一印象で「え・・これ走るの??」という車両こそ今回の物語にふさわしいじゃないですか!
ライダーであるともさんが引く程度の車両でないと!! そうでしょう? 誰かモペッド50円くらいで譲ってくれませんかね。

主人公登場!

モペッド登場
クソ暑い中、エアコンのない軽トラで埼玉まで引き上げに行ってきました

7月。カクカクシカジカでモペッドを入手しました。サビだらけ、タイヤはひび割れ、欠品、ブレーキがかかりっぱなし、押せばなんか変な音するetc.. そしてこれらの不具合を吹き飛ばす極めつけの特徴。それは…

不動車!イエーイ!

不動車ってのはつまり、動かないバイクのことです。どっかが壊れててエンジンがかからないやつ。9割9分の人が「鉄屑」と認定するであろう物質のことです。その名はトモス!
この物語の主人公としてこれ以上の車両はないでしょう!

※トモスは社名。車名は正確にはわからないんだけど、「Classic1」か「A35オートマティック」。

なんと外車ですよ。スロベニアの。

・・・どこだスロベニアって。

こんな鉄屑状態のモペッドを、素人の私が整備して、それで石川県まで行く。時間制限つきで。どこを切ってもおかしな話しかでてこないという完全な罰ゲーム。前世でいったい何をしたらこんな目に遭うんだともさん。

さて、開催の5月までは10ヶ月。ぼちぼち修理していきます。まあ間に合うでしょ。
なんとかエンジンもかかり、割れを塞ぎ、タイヤを交換し、欠品パーツを入手するためにヤフオクとにらめっこしながら迎えた新年。
SSTRゴール地点の石川県を巨大地震が襲いました。この影響でSSTRの5月開催は10月に延期に。

5月開催との大きな違いはそのイベント時間。
5月開催ならば日の出4:40〜日の入り19:00前後で14時間30分くらいが開催時間。
これが10月になると日の出6:00〜日の入り17:20前後で開催時間は11時間20分。ただでさえ厳しい条件がめちゃくちゃ厳しく!!
うわ、きっつ。がんばれともさん(ヒトゴト)

ところで開催が5ヶ月先になったってことは、整備も5ヶ月遅れてもいいよね。いいよ。
もうね、夏あつくてイヤなのよ。

ミスター登場

だらだらと整備が進むモペッド・トモスですが、ホーンがどうにもちゃんと鳴らない。そこで、ホーンは新調することにしました。

ホーン。1027円(税込)


後日、彼は「ミスター・トモス」の愛称をいただき、その後、ミス・トモスを迎え、なにやら幸せにくらしましたとさ。になっていますが、今回の話とは関係がないので割愛。

ミスターには彼女ができたらしいです

さて、トモスですがブレーキレバーも引くことはできるものの、指を離してもレバーが戻らない。手動で戻さなきゃいけないブレーキレバーなんてある!?という状態でしたが、こちらもひげモータースにかかれば12ヶ月程度で修理完了! え?12ヶ月は長いですか?長いですね。だって冬は寒いし夏は暑いんだもん。いいじゃん直ったんだから。

ブレーキワイヤー。…ほつれていますね

うん。あー・・・見なかったことにしよう。いやあのね、コレ直すのにブレーキレバーのクソめんどくさい修理をもう一回やらないといけないんですよ。また12ヶ月かかっちゃう。SSTR終わっちゃうもん。

ほら、ディズニーランドのアトラクションだって、壊れているような装飾あるじゃない。あれといっしょ。雰囲気ってやつよ!! 違いは、こっちは本当に危ないってだけ。問題ナイナイ。

タイヤとフェンダーも当たっているように見えるけどきっと気のせい大丈夫。イケルイケル。

よく見ると、タイヤのヒゲが接触して曲がっていますね。
…よく見なければ大丈夫でしょう!

そのほか、たくさんの修理と調整をこなしましたがここでは全部割愛。話が長すぎるからね。
さあ、修理の仕上げにステッカーを貼って、SSTRへの準備は万端!

今からお前の名はトモスぁんだよ いいかい、トモスぁんだよ 

TOMOSをTOMOSANにするためにわざわざステッカー作りました。幼稚園の先生が「持ち物には名前を書け」って言ってましたからね。
実はこの「AN」、修理で購入した部品の中でもトップクラスに高いです。嫌がらせと無駄なことにはお金使えるタイプの人間っていますよね。私です。
写真はバ鯖のちちちさんが撮影したものを無断拝借。

トモスぁん、暁の出撃

ただでさえ完走が怪しいのに、開催時間がめっちゃ短くなった今回のSSTR。ゴールの千里浜までほぼ最短距離となる三重県にスタート地点を定め、ここでともさんと合流することにします。ともさんはいきなり初公道で石川県まで行くことになるわけ。本人が望んだこととはいえ、ひどい話だ。

愛知に来たらやっぱユニーオイルでしょ

当日の夜明け前にスタート地点にトモスを輸送し、ともさんを待ちます。
と、突然、雲ひとつない空から雨が。え、どこから降ってんの???
そんな中、ともさんが登場。さすが雨神様。演出がすごい。どういうシステムなの??

スタート直前、ゼッケンを貼り、荷物をあーでもない、こーでもないと積載します。
普通こういうことは1週間ぐらい前にやることですが、すべてがその場しのぎ。

ともさん「あの… ホーンが邪魔なんですけど降ろしちゃだめですか?」
いいわけねえだろう! 重要保安部品だぞ!


ともさんの出発を見届けようと、SSTRの出発地を変更したり、夜勤明けにかけつけたりするバ鯖の友人たち。まだ夜明け前ですよ。ともさん人気者すぎんか。

知らない人たちにガン見されつつ、いよいよスタート!

日が昇り、たくさんの友人に見守られながら、ともさんがゴールの石川県に向けて走り始めました。
その様子は本日公開のともさんの記事「ともさん、TOMOSでSSTR参加した話」でどうぞ。

あとがき

足かけ2年の悪ふざけが終了しました。ライダー兼みんなのオモチャという大役をやりきったともさん、悪ノリを支えてくださったバ鯖の皆様、日本で全然見かけないサイズのネジを提供してくれたネジ屋さん、めちゃくちゃな値切りに応えてくださった部品交換会(フリーマーケット)の皆さん。それからアドカレを用意してくださったビア鯖の方。本当にありがとうございました。

ともさんの力走に支えられ本編のSSTRも多いに盛り上がりました。やー、ともさんすげえな。絶対なんかトラブルが起きると思ってた…というか起きろ!って思ってたのになァ。ちょっと整備しすぎましたね。もっと手を抜くべきだった。反省。

この話はバ鯖内で進行し、特に公表するつもりもなかったのですが、ふとビア鯖アドベントカレンダーを見たら2ndカレンダーができてるし、ともさんの記事の同日が空いているじゃないですか。
ああ、そんなら書くか、と、初めてアドベントカレンダーの文章を書いてみたものの、アドベントカレンダーって、記事は自分のブログに書くのね、というコトに気づくわけ。そういえば何年か前にそんなこと聞いたな。うーん、ブログなんかmixiしかやってねえぞ。

という流れで慌ててブログを用意するという、行き当たりばったり泥縄スタイルでなんとか当日に間に合わせた今回のお話、楽しんでいただけたでしょうか?
そんな生い立ちのブログですから、来年のアドベントカレンダーまで放置かもしれませんし、もう2度と記事が更新されることはないかもしれないし、意外にも毎日どうでもいい駄文を針小棒大トークしているかもしれません。どうなってんのかな?ってたまに覗いていただければ幸いです。あとがき長ぇな。

最後に。
今回の舞台となった能登半島地震で被災された皆様。また遊びにいくし、些少ですが支援も継続しますんでどうかたくましくお過ごしください。
そんで、「そのうち大震災に襲われる」と50年くらい言われている我が静岡県が被災したときには、ちょっとばかし私を甘やかしにきてください。きっと苦境に陥った私が、干して再利用したコンドームをさらにもう一度洗って干していると思います。